291: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2024/08/02(金) 00:00:33.66 ID:Aw4fNQD/0
「……因みに、海自や鎮守府関係者の間でもなかなか有名よ、アリサさんは」
さり気なく阿音から行われた目配せの意味を察知し、私も後を受けて便乗する。
……まっ、今し方助けて貰った恩があるからメンタルケアぐらいは吝かじゃないわ。それに、別段嘘はつかないし。
「理由は概ね阿音が言ってた通り技術面での評価だけど、他に【大鍋(カルドロン)】を見た人も結構いるわよ。
ウチの鎮守府でも、私含めて何人か【大鍋】でアリサさんの事を知ってる艦娘はいるもの」
筆頭例は明石ね。元々は“鬼”が使ってたあのイカれた性能の小型戦車にご執心だったけれど、関連してアリサさんの事を知ってからはたまに会話の流れで名前が出てくるようになった。
生粋の技術屋(マッド・サイエンティスト)として、未だ女子高生でありながら高い技術水準を見せたアリサさんはしっかりロックオンされたらしい。
あとは、どうやらあのクソムカつく“技研”のセールスレディも注目している。別件で二度目(ナオルヨ!君を持ち込んだ時をカウントするなら実質三度目)の訪問の時、所属の人手不足を嘆きつつ彼女とレオポンさんチームを勧誘できないかと零していた。
あの時は恥ずかしかったわね。私ったら、レオポンさんチームの名前が出た瞬間動揺のあまり手が滑って、あの女が“別件”として持ってきていた最新鋭の白兵戦闘用超硬質ブレイドを思わず叩き折ってしまったもの。
生憎あの時のアイツは着替えを持ってきてなかったから、残りの滞在時間中をずっと半ベソで過ごしてから帰ったわ。
「……………………………………ふーーーーん」
一通り私と阿音から話を聞き終えたアリサさんは、完全に起き上がるとあらぬ方向に視線を向ける。……腕を組んで胡座をかき如何にも気にしていませんという素振りを見せてはいるものの、垂れ目からはフニャリと力が抜け、口元は綻び、頬から鼻周りにかけて軽く赤みが差している。
「まぁ別に?自衛隊や艦娘に知られてるからってそれが何って話よね?関係ないというか、ねぇ?いやまぁ嫌われてるよりは評価してもらってる方が嬉しいけれど?でもその………ありがとう……というか……」
(あらかわいい)
∬メ´_ゝ`)「あらかわいい」
タカシだっけ?フルネームも顔も知らないけれど、改めて言うわ。
マジで女を見る目無いわよアンタ。
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