エンド・オブ・ジャパンのようです
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255: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/07/26(水) 22:24:02.70 ID:1kNqHEos0
腕は痺れ始めているし、肺は少ない酸素を必死にやりくりして正に青息吐息、脚だってまるで満杯まで入れた輸送用ドラム缶を鎖で繋いで動かしているかのような重さだ。

現時点での“全力”を振り絞っての戦闘から、せいぜい2分か3分しか経っていない。けれど、あと5分この状態を保てるかも怪しいものわね。
まぁその間に7、80人は斬ったけど、今現在押し寄せてきている全体量からしたらまるで足りない。仮に私がここで力尽きれば、後続に飲み込まれて間違いなく一巻の終わり。

けれど、それでいい。

元より、自分の限界が近いことは承知の上。1時間も2時間も戦おうとか、一騎当千でこの“群れ”を殲滅してやろうとか、そういう高い志は端から持ってない。

(あとは中の連中が、“意図”を汲んでくれてるかどうか………っ、ね!)

『『ギュボァッ!?』』

突貫を開始する直前、無線へ叫んだ一言。主語も指示語もなく、事前の打ち合わせもない。あの中では一番長い阿音と鈴ですらせいぜい付き合いは2時間ほどで、“つうかあ”の意思疎通なんてものが期待できる人員もいない。

それでも、私は賭けた。あの中で誰かしらが、長々語らずとも私の“意図”に気づいてくれることを。

《機動隊並びにドラゴンさんチーム、キリンさんチーム、フェニックスさんチームは北方の“ゲート”前に集結!突撃態勢を取ってください!》

そして、案の定というべきか。

私の“意図”に気づき、行動を起こしたのは。

この場で最もそのことを期待し…………同時に、そうなってしまうことを最も恐れた、【大洗の軍神】だった。

<(' _'#<人ノ《射角調整ヨシ!弾種榴弾、装填ヨシ!!》

《撃て!!》

号令一下、砲声。軽快な風切り音と共に、75mm弾が陣地から飛び出す。

『「『ぐわぁああああっ!!!!?」』」

砲弾は私の到達地点から10M程離れた位置に突き刺さり、火柱が逆巻く。優に30人は軽く超えるであろう【暴徒】が、爆風に煽られ火に焼かれ破片に薙ぎ倒される。

《開けてください!!》

直後、先程W号を収容した“門”が、再びゆっくりと持ち上げられた。


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