エンド・オブ・ジャパンのようです
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254: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/07/26(水) 22:16:34.88 ID:1kNqHEos0
寡勢が大群と相対する際に、重要なのは此方の戦力を如何に“集中”するかだ。

テルモピュライのスパルタ然り、イッソスのアレクサンドロス大王然り、桶狭間の織田信長然り、沖田畷の島津家久然り、硫黄島の栗林忠道閣下然り。歴史を紐解いても、少数兵力側が戦況を覆すか大いに善戦した時は、基本地形や天候を利用して“真っ向勝負”が起きないようにするところから始まっている。
そこに敵の油断や混乱、彼我の練度・兵装差が加わることで、初めて物量差を覆すだけの余地が生まれるってわけ。寡兵が大軍を何の変哲もない真っ向勝負で打ち破るとしたら、それこそタイムスリップした直後で弾薬が潤沢な自衛隊と戦国の侍軍団くらい兵装格差がないと無理でしょうね。

その点で鑑みれば、私達はよくやっている。お粗末とはいえ“防護陣地”に拠って敵勢の大半を引き付けつつ打撃し、その上で艦娘──つまり私という最強ユニットの衝撃力を一点に集中させて一部を突き崩しつつあるのだから。
現に影響は既に出始め、私が“群れ”の中を斬り進む毎にそれの穴埋めと対処に追われてバリケードそれ自体への取り付きが徐々に少なくなっている。

「っふ!」

『ポキョッ⁉』

特に【寄生体】の動きは顕著で、“防護陣地”の方に向かった個体は無線に耳を傾ける限りほぼ皆無だ。アレが陣地への大挙攻勢に出ていたら火力的に押し止めるのは極めて困難だったろうし、効果として特に大きい。

だけど………“勝つ”なら、もうひと踏ん張り必要よね!

「『ヌコパッ!?」』
『「アギヒッ…』」

89式の弾倉を入れ替え、再度出し惜しみなしのフルオート射撃。10人前後の団体様に鉛玉の特盛を御馳走するとそのまま小銃を背中に回し、二本目のブレイドを抜き放ってもう一方の手に構える。

「合わせて!!」

「うごおあっ!?』「ふぐぅっ……』『げぉっ……」

無線に向かって叫び、即座に駆け出す。早速迎撃に来た一人の頭蓋に飛び蹴りを食らわせ、その後ろに居た二人の喉笛に同時にブレイドを突き立てる。

「はぁあっ!!!!!」

更に踏み込み、“群れ”の中へ。奥へ。両手のブレイドを次々と振るい、とにかく当たるを幸いなぎ倒し斬り伏せていく。
太った男の首を飛ばし、眼鏡を掛けた女の胴を両断し、跳んできた【寄生体】の口内に切っ先を捩じ込み引き千切り、ただひたすらに前へ。

(っ……ぷぁっ───)

辛うじて戦闘動作に影響しないギリギリの範囲で深く息を吸うけど、正直大分限界は近い。
艦娘が人間の形を取りながら人間を遥かに凌駕する身体能力・運動性能を発揮できるのは、艤装の補正を受けた上でそれを更に【船体殻】が吸収緩和してくれるから。その出力が大幅に落ちている状態──即ち中破・大破が起きていれば、当然艤装火力だけでなくこうした基礎的な部分にも大きく影響する。



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