227: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/04/14(金) 23:10:04.68 ID:a3HNpCLf0
立て続けに二体を葬ったが、路地の入り口で蠢いている【寄生体】の数は未だに膨大だ。当然、この程度で攻撃を止める筈もない。
『キィアッ!!』
『グォッ!!』
「ちぃっ!!」
∬;メ´_ゝ`)「このっ!!」
唸り、金切り声を上げ、今度は5〜6体の新手が一斉に私と阿音に押し寄せてきた。1体ごとは雑魚でも束になれば相互に連携を取ってくる上、攻撃動作は向こうの方が立体的な為迎撃難度が跳ね上がる。阿音と二人、間断なく突き出されてくる頭部や牙を必死に捌きつつ隙を伺う。
『ギィイイイイイi「甘い!!」ウギァッ!?』
『ギャッ!?』『ヴァギュッ………』『シェッ⁉』
此方の防戦に業を煮やしたか、一匹が得物をはたき落とそうと大きな動作で勢いよく私の手元に向かって頭部を振りかぶる。その軌道を躱し、首を斬って落とし、開かれたスペースに滑り込む。
一気に連撃へ繋げ、残りの個体も殲滅した。
ああもう、せっかく乾いてきていたのに。また連中の“返り血”でぐっしょりだわ、生臭いったらありゃしない。
「さぁ、お次は何匹で来るつもりかしら?幾らでも───」
『うぉらぁあああああっ!!!!」
「───ッ!!?」
ブレイドを下段に構え直しながら、威嚇と挑発を兼ねて眼前の“塊”に対して微笑みかける。が、予想に反し、“次”が来たのは上………左手の民家からだった。
まぁ、さっきも屋根の上に拳銃持った【暴徒】が現れていたワケだし、路地裏で周囲には家が立ち並んでるわけだし、ええ、認めるわ。私が油断していたせいも若干はあると思う。だけど、一つだけ言い訳させて頂戴?
化け物共との乱戦の直後に、室内から元とはいえ“生身の人間”が二階の窓をぶち破って飛び掛かってくる可能性までケアするのは無理よ!!
「ぐぅっ……!?」
艦娘の身体能力は、艤装の装着量と【船体殻】の出力にほぼ完全に比例する。
無論完全な非武装でもMLBで即座に二刀流選手としてデビューできるぐらいのものは備えているけど、中破状態の上に艤装がブレイドを仕込まれた電探装置二つだけという状態では流石に限界はあった。
姿勢が崩れていたことも相まって、飛び掛かってきたジャージ姿のその【暴徒】にあっさりと押し倒され組み伏せられてしまう。
『死n─────ボギュルッ!!?」
∬#メ´_ゝ`)「どらっしゃあああい!!!」
馬乗りの体勢のまま、両手でソイツは出刃包丁を猛然と振り下ろす。が、ソレが私の首筋に突き立てられる直前、側頭部に凄まじい勢いで89式小銃の銃床が叩きつけられた。
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