173: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2023/03/17(金) 23:51:49.41 ID:Y8GDEX0B0
「…………なんか、随分地味なOpening Ceremonyね」
指示を出している私の横で、ケイ=コムロ(推定英検3級)が不満げに口を尖らせる。おっなんだ喧嘩販売か?買うぞコラ。無駄乳もぎ取るぞコラ。
「“戦争へようこそ”なんて言うもんだから、いきなり戦車並べてオオアライにでも突撃するつもりだと思ってたわ」
川 ゚ -゚)「HAHAHA」
出来るわけねーだろ頭Hollywoodが………と、勿論面と向かって言いはしない。何せこちとら“れでぃ”だからね、れ・で・ぃ。
ただ、考えてみれば今ここに集うは各学園艦【戦車道】の、数ある中でも取り分け壮絶極まりない“武道”の長を務める戦乙女達だ。
元の血の気の多さに加えて、現在は“西住みほの救出”という大目的を一刻も早く果たしたいとかなり気が急いている。
私の手綱を離れて各個に暴走でもされる前に、釘は刺しておいたほうがいいだろう。
川 ゚ -゚)「先に1つ、申し上げておきましょう。私自身は、“最終目標”に【西住みほさんの救出】を据えてはいません」
「どういうことよ!!!」
真っ先に反応したのは、【地吹雪】という大層な二つ名と容姿・体躯が釣り合っていないプラウダ高校の隊長だった。彼女は机に拳を叩きつけ、ほとんど飛び上がるような勢いで起立しながら叫ぶ。
「私達は貴女がミホーシャを助けるために手を貸してくれると聞いたから貴女の招集に応じ協力を決めたのよ!!それを今更ミホーシャを助ける気はない?!
ふざけないで、返答によってはただじゃ置かないわよソラーシャ!!」
「……………!!!」
激昂具合については、K−鈴木(推定英検3級)も負けてはいない。サンダースのセッ○スシンボルなんて世の雄共の下卑た欲望丸出しな渾名がついたグラマラスな肉体を怒りで更に怒張させ、日頃の朗らかな表情からは到底想像もつかないようなドスの効いた目付きで此方を睨みつけてきている。
私の胸ぐらを掴んだ手はブルブルと震え、今にも殴りかかる一歩手前だと激しく自己主張中だ。
一瞬「服が伸びちゃうだろうが!」とか言ってみようかとも思ったけど、フザケていい空気でもないのでやめといた。
まぁ別に殴られても痛くはないんだけど、根は真面目だから私。
川 ゚ -゚)「言葉通りの意味です」
「ぇへ!?」
とはいえ掴まれたままでは喋りにくいので、ケ………ネタも尽きたので今後は普通に呼ぼう、サンダース大附属・ケイの拘束からちゃちゃっと逃れて少しだけ後ろに押し飛ばしておく。
向こうは全力で拘束していた筈なのにこっちがあっさりと逃れたもんだから酷く面食らっていたようだけど……まぁここは年季が違うからね、仕方ないね。強くなれ若者よ。
川 ゚ -゚)「“最終目標”は、私にとってはあくまで【日本国の守護】です。【西住みほさんの救出】は、その過程で発生する行程の一つに過ぎません。“クライアント”からの依頼には最大限応えられるよう尽力は致しますが、これも前者の最終目標を阻害しない範囲でというのが前提条件になります」
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