エンド・オブ・ジャパンのようです
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12: ◆vVnRDWXUNzh3[sage saga]
2022/07/09(土) 23:42:19.89 ID:Y1RgXn6e0
『ヲォオッ!!』

《空母ヲ級より【Mist】の放出が確認されました!迎撃機、上がってきます!》

('A`)「予想済みだ、問題はない」

犇く敵艦隊の中ほどで湧いた、焦がした魚から上がる煙のような色合の“霧”。ホーネットの弾丸やアクィラの矢に相当するナノマシンの集合体は、即座に【Helm】や【Ball】を形作って爆撃を終えたこちらの艦載機隊に食らいつく。

だが、向こうはそもそも爆撃自体を防ぐため事前に発艦させたかった筈だ。そしてこちらの砲撃により生じた“遅れ”は、深海棲艦側が思っている以上に致命的なものだった。

〈テキカンサイキグンハッカンヲカクニン、ゲイゲキセヨ!!〉

〈〈〈ヤヴォール!!〉〉〉

『『『───────!!?!?』』』

フォッケウルフもアリエテも、爆撃機としての性能は“オマケ”に近く制空戦闘こそが本来の役割だ。謂わば現代におけるマルチロール・ファイターのようなものであり、爆撃後のドッグファイトも十分にこなし得る。

『ヲッ、ヲッ………!』

腹に抱えた“重石”を捨てて身軽になった両航空隊は、追いすがってきた敵機から逃げるどころか即座に反転して迎え撃つ。
面食らった敵機群は早々に1割近くを食い千切られて総崩れになり、混乱状態の防空部隊を建て直すべくヲ級達は戦力の逐次投入を強いられる形となった。

《【スツーカ】隊、吼えろ!!》

〈〈〈──────ッッ!!!〉〉〉

両軍の航空隊による乱戦が発生するさらにその上空から、雲を切り裂き降ってくる“ジェリコのラッパ”。Grafが鍛え上げたJu-87【スツーカ】の急降下爆撃隊は、“バトル・オブ・リーゼ”の真っ只中をくぐり抜けて敵艦隊へと肉薄する。

『『『グゴォオオオオオオッ!!?』』』

250kg───正確にはそれに相当する威力の艦娘艦載機用爆弾が突き刺さり、次々と火柱を上げる。ソ連赤軍を震え上がらせた【空の魔王】に匹敵する……かどうかはわからないが、少なくとも魔王様もきっと笑顔で頷くに違いない精度を以てスツーカ隊の爆撃は深海棲艦を狙い撃った。
流石に一撃轟沈に至るケースは稀だが、艤装をピンポイントで破壊される艦が多発しみるみるうちにその火力が減退していく。

『ギィッ────ゴガォッ!?』

(#*゚∀゚)「全車両・全小隊目標地点に到達!!」

(#'A`)「総員降車!展開急げ!!」

へ級Eliteがこっちに向けた主砲が右腕ごとスツーカの爆弾によって吹っ飛ぶ様を後目に、著しく疎らになった砲撃をくぐり抜け俺たちは敵艦隊との距離を一挙に詰める。
ドリフトで急停車したエノクから即座にG36Cを抱えて飛び降りつつ、俺は懐から双眼鏡を取り出し覗き込んだ。


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