48: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:26:13.32 ID:Sev9O2YP0
やがて全ての力を使い果たし、崩れ落ちるように座り込んだ。
それでようやく、観客も、スタッフも、彼女のライブが終わった事を悟った。
「なあ、夏は好きか?」
彼女は尋ねたが、観客は誰も答えなかった。何も言うことができなかった。
輝子は息を切らしながら続ける。
「私は嫌いだ」
彼女は再び、ばっさりと吐き捨てた。
「暑いし、物は腐るし、蝉がうるさいし、気持ち悪い」
「その暑さを楽しんでいるリア充が嫌いだ。」
少しだけ悔しそうに、彼女は呟いた。
「羨ましかった」
誰もが静かに、彼女の言葉を聞いていた。
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