星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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42: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:20:09.28 ID:Sev9O2YP0
それは、怒り。
自身に対する怒り。メタルを、キノコを、幸子ちゃんを、小梅ちゃんを、今日ここに来てくれたみんなを裏切った、
どうしようもなく下種な自分。

それは、悲しみ。
どうやってもまともに生きれない自分。まともな趣味を持てず、人に合わせられず、
どうやっても人を不快にしてしまう自分。

もう、もう、嫌だ。嫌なんだ。
もう死んでしまいたい。
そう、いつしか思うようになった。
漠然と、無意識のうちにそう願うようになった。

だから、彼女はここに来た。

『ステージで、演目を無視してメタルを唄う』

だから、彼女はそんな提案を受けた。
もう、希望を持ちたくなかった。
晒され、叩かれ、勘違いした気持ち悪いオタクとして、二度とアイドルが出来ないようになりたかった。
自棄だった。破滅願望から、彼女はその提案を受けたのだ。
マイクは彼女の怒りを、悲しみを、慟哭を観客にぶつけ続ける。

やがてスタッフが飛び出してきた。
輝子に飛び掛かり、マイクを奪おうとした。
彼女は元より唄い切るつもりはない。
この時点で彼女の目標は達成していた。
大観衆の中、彼女の気持ち悪さを思うさま見せつける。
もう二度とステージになんか立てやしない。
だから、マイクを奪われそうだというのに、輝子はさして抵抗しなかった。
だから、こんな状況で、客席を眺める余裕があった。


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