星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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39: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:16:28.73 ID:Sev9O2YP0
彼女が倒れてから数週間が経過した。
いつものように、自室のベッドで目を覚ました。
早朝、まだ日は高くないが、数時間後には猛暑が押し寄せてくるだろう。
いつまで続くかわからない長い長い真夏日、そこから切り取られた今日一日。
今日はライブの日だった。

控室、輝子は可愛らしい衣装に身を包み、マネージャーと本番前の打合せを行っていた。

「今日はお前のソロライブだが、此処でのミスはお前一人の問題じゃない。
下らないライブはお前とユニットを組んでいる輿水と白坂、お前を見に来た客、
何より事務所全体を侮辱する事になるのを忘れるな」

見下すように吐き捨てるマネージャーに、輝子は頷く。

「じゃあ行ってこい。俺は他の奴のところに行くからな。必ず成功させろ」

「……はい」

送り出され、輝子は自分の胸に手を当てた。
ばくん、ばくんとはち切れそうなほど震える心臓の動きを感じ、彼女は大きく深呼吸をする。
吸って、吐いて。吸って、吐いて。
やがて彼女は手を下ろし、ステージへ向かった。
その顔は落ち着いている。というより、どこか諦めたような顔をしていた。
ステージというより、まるで……
──まるで、絞首台への道を歩くような。


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