星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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34: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 01:08:38.42 ID:Sev9O2YP0
『分かるか?その優しい親友とやらも匙を投げるほどの社会不適合者なんだよ、お前は』
『誰からも好かれない。会う人全員に嫌われる。永遠に独りだ』

彼の顔を見ると、ガチガチと歯が震えた。
恐い。寒い。辛い。誰か、助け……

『裏切り者』

「う゛っ」

唐突に来た嘔吐感に彼女は低い声で呻き、両手で口元を抑える。
ぐらり、ぐらりと歪む視界で、彼は慌てた様子で何かのボタンを押していた。
その後大きな声で周りに呼び掛けていた。ナースを呼んでいるようだ。
びっしょりと脂汗をかき、喉の奥までせりあがってきた吐瀉物を抑え込む。

彼が自分に何かを言っている。
大丈夫、と、片手を彼に突き出し、無理やり貼り付けた笑顔を彼に向ける。
落ち着け、落ち着け、落ち着け、心配かけちゃいけない。
これ以上、嫌われたくない。誰からも嫌われたくない。
もう嫌だ。嫌われたくない。みんな大好きなのに。みんなから嫌われたくない。
必死に、必死に、呼吸を整える。
ごっくんと、吐瀉物を押し戻す。焼け付くような胃の痛み、強烈な不快感。
心配するプロデューサー。やがて駆けつけてきたナース。
皆に笑顔を向け、大丈夫、と繰り返した。
プロデューサーは彼女の顔を見て、なんだかとても悲しそうな顔をした。


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