星輝子「真夏みたいに気持ち悪い」
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19: ◆xa8Vk0v4PY[saga]
2022/06/06(月) 00:51:14.32 ID:Sev9O2YP0
ユニット仲間との顔合わせ、新しい事務所の初レッスンを終えて輝子は帰路に就いた。
昨日とは打って変わって彼女は上機嫌だった。
幸子も小梅も優しそうで、これから上手くやっていけそう。
そう考えると思わず鼻歌を歌い、柄にもなくスキップ交じりで歩いていた。
やがて彼女の家に着く。
楽しそうに一人笑いながら家の鍵を開け、扉を開いた。

今日も家は真っ暗だった。

電気を点け、独りの家に足を踏み入れた。
さっきまで暖かい気持ちだったのに、何故だか少し気分が落ち込んで、吊り上がった口元がゆっくりと下がっていった。

自室に入る。当たり前だが、部屋も真っ暗だ。
電気をつければ部屋の隅にはキノコが置いてある。
彼女はキノコをじっと見つめた。
キノコを見ていると、お腹の底からぐるぐるとよく分からない、嫌な気持ちが湧き上がってきた。
頭を振り、霧吹きで水をやる。そしてそのキノコに背を向けるようにベッドに座った。
傍らにはメタルのCDケースが置いてあった。
お気に入りのバンドの新譜で、1曲目からずっと最高にカッコ良い曲ばかりの名盤だ。
連日ずっと寝る直前まで聴いて、寝不足になったのを思い出す。
彼女はその大好きなバンドの大好きなアルバムのジャケットを眺めて呟いた。

「グロい、な」

CDを伏せ、ぽすっとベッドに倒れた。


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