9: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:45:13.42 ID:nm7zvJuf0
「はいほー! みんな、おはようなのです」
劇場に徳川まつりが機嫌良く入ってくると、同僚であるアイドル達も笑顔で彼女を迎える。
「まつりさん、今日は随分と機嫌がいいみたいですな〜。これはなにかあったに違いありませんぞ〜」
「ほ、さすが美也ちゃん。実は昨日、姫はとってもいいことがあったのです」
宮尾美也の追求を、まつりはあっさりと認める。
「昨日、姫の妹が久しぶりに自分から話しかけてきてくれたのです」
ニコニコとしているまつりは、確かにいつもよりもテンションが高い。
「まつりさんの妹さんというと、あの反抗期……だとかの妹さんのことですね〜?」
「そうなのです。その妹が、急に姫の部屋にやって来てメイクやお洋服の着こなしについて、色々と聞いてきてくれたのです」
天空橋朋花の問いに、やはりテンション高くまつりが答える。
「どうやら妹は、反抗期から思春期に入ったみたいなのです」
「おお〜。思春期ですか〜それはつまり、まつりさんの妹さんは、恋をしてるというわけですな〜?」
「ほ?」
美也の問いに、それまで高かったまつりのテンションが一気に急落する。
「なるほど〜恋の始まりが、子供時代の終わりというわけですね〜」
「ま、待って! 待つのです!!」
珍しくうろたえるまつりに、美也と朋花は顔を見合わせる。
「妹に恋とかまだまだ早いのです! 早すぎるのです!!」
「そんなことはないんじゃないですか〜?」
クスクスと笑いながら、朋花が言う。
「そうですよ〜。まあ私もまだ恋というものをしたことがないんですけれど、それだけに以前、恋について調べた時に『恋とはいつも突然やってくるもの』と書いてありましたからな〜」
だがまつりは、その言葉に更に慌て出す。
「だ、だめなのです! 早いのです!! そうなのです、帰ったら聞いてみるのです、妹に!!!」
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