5: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 13:41:51.70 ID:nm7zvJuf0
放課後、彼女は予告通りやって来た。
やはり可愛い。こういう娘がわざわざ自分の所にやってきてくれて話ができるというのは、彼が高山紗代子の弟であることによる利点としては、ほぼ初めてのものだ。
「いいことなんてないでしょ? アイドルが姉って」
「そんなことも……」
「え?」
「あ、いや……」
こうして可愛い女の子が話しかけてきてくれること自体、彼女の言う『いいこと』なのだが今回は初めてのケースであるし、そのことを当の彼女に言うのは憚られる。
「あるの? いいこと? 姉がアイドルだと」
「……さっきも言ったけど、そんなによくは知らない人から色々話しかけられたりはするよ……いろんな人から家のこととか姉ちゃん……姉さんのことを色々聞かれるのはまあ、いい気はしないかな」
「……」
「あとさ、なんか家の周りに人がいたり」
「そうなんだ……」
神妙な顔になる少女が、彼は少し申し訳なくなる
あまりに正直に話しすぎたか?
いや、そうであってもなくても、彼女をガッカリさせるつもりはないのに。
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