34: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2022/05/10(火) 14:03:21.25 ID:nm7zvJuf0
「なんですって〜? するとまつりさんの妹さんのお相手というのは、紗代子さんの弟さんだったというわけですか〜?」
「縁は異なものとは言いますけど、これはまたなんとも不思議な縁ですな〜」
翌日、妹さんのデートはどうなったのかを聞かれたまつりは、事の顛末を朋花と美也に説明したのだが、2人は予想以上に盛り上がりを見せる。
「それにしてもこれは良縁ですね〜。ではこれからまつりさんは、紗代子さんの義姉となるわけですね〜」
「お〜なるほど、そうなるわけですね。紗代子さんはこれからまつりさんを「まつりお義姉さん」と呼ぶことになるわけですな〜?」「ま、ま、ま、待つのです!」
蒼白となりながら、まつりは立ち上がる。
あからさまな程に動揺しているのがわかる。
「それなんですけど」
「おや〜?」
「紗代子さん、おはようございます〜」
気がつけば、紗代子が事務所にやって来ていた。
「おはようございます。あの、まつりさん。弟とまつりさんの妹さんのことは、ゆっくり見守ってやって欲しいんです」
紗代子の訴えに少し驚くと、少し考えてからまつりは口を開く。
「勘違いしないで欲しいのです。姫は別に反対をしているわけではないのです」
ほっと、紗代子は息を吐く。
「心配することはありませんよ? 紗代子さん。まつりさんは、妹さんが自分から口をきいてくれるようになってことをずっと喜んでいたんですから〜」
「そうですよ〜? ただちょっと心配だっただけですよね〜?」
「ま、まあ……紗代子ちゃんの弟さんも、さすがに紗代子ちゃんの弟だけあって好感の持てる子だったのです。なにより姫のファンでしたし、そう、なのですから姫を悲しませるようなことはないはずなのです!」
強くいいきるまつりに、朋花はくすくすとした笑いを漏らす。
「まるで自分に言い聞かせているみたいですね、まつりさんは〜」
「そ、そんなことはないのです! まつりは、紗代子ちゃんの弟くんも、妹も信じているのです!! 本当なのです!!!」
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