5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:13:38.60 ID:XVB8s0iW0
2 『闇』による崩壊
それがいつ起こったのかは定かではなく、定められるものでもない。
なぜなら原初時代には、
6:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:14:07.52 ID:XVB8s0iW0
この「力こそ全て」とも形容される闘争と暴虐の世界にて、
彼らは際限なく戦い、そして殺しあった。
そして熾烈な競争と増幅現象の果てに、
超越的な力を有する者が次々出現し、
7:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:14:35.90 ID:XVB8s0iW0
こうした全能神格がひしめく状態では、
その力が干渉しあい、世界そのものが安定を失うこととなる。
法則が破綻した「血の世界」はあらゆる事象に歯止めがきかなくなり、
力の増幅現象がさらに加速するという悪循環に陥ることとなった。
8:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:15:05.17 ID:XVB8s0iW0
ただし、本来の完全たるOMNEからすれば
この「侵犯者」たちすらも矮小な存在でしかなかった。
「侵犯者」たちはOMNEと同種の力を取得したとはいえ、
それらは所詮複製された断片に過ぎなかった。
9:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:15:32.72 ID:XVB8s0iW0
こうして全ての秩序が崩壊した。
OMNEによって定められていた境界が消え、
無限の世界同士が重なり、すべての時間軸がひとつに溶け合い、
そして現実が混濁していった。
10:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:16:08.40 ID:XVB8s0iW0
とはいえこの時、彼ら自身は、
この著者のごとき現象そのものには気づいていなかった。
「侵犯者」自身ですら、
自ら有するOMNEの力を解明しきっているわけではなく、
11:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:16:40.08 ID:XVB8s0iW0
他世界の全能神たちはこの時、悉くがその全能性を喪失していた。
オリジナルのOMNEの崩壊によって
彼らの存在基盤たる各世界の枠組みも崩壊し、
その全能性の力を形成していた法則も共に消失していた。
12:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:17:14.65 ID:XVB8s0iW0
このようにして魔族によって塗り潰された現実は、
光を飲みこむために『闇』と呼ばれた。
闇の膨張は全てを飲みこむ勢いであり、
最終的には「難民」が逃れた虚無にも達して
13:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:17:52.85 ID:XVB8s0iW0
3 『光』の女王
現実世界に砕け落ちたOMNEは
この墜落により初めて他者から存在を認識され、
14:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:18:22.67 ID:XVB8s0iW0
その『光の女神』は目覚めるや、
まず惨憺たる現実世界の状況に嘆いた。
そしてこの嘆きを抱かせる良心こそ自分の基層であると自認し、
それによって彼女は自己同一性を獲得した。
15:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:18:56.28 ID:XVB8s0iW0
この女神は様々な名で呼ばれたが、
後世では祝祭/祝宴を意味する『ジュベレウス』の名が最も知られている。
それまで逃げ延びることができた原初世界群の神々は
こぞってジュベレウスの下に集結し、
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