5:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 00:13:38.60 ID:XVB8s0iW0
2 『闇』による崩壊
それがいつ起こったのかは定かではなく、定められるものでもない。
なぜなら原初時代には、
無限にある世界それぞれが異なる時間軸を有していたからである。
しかし一つ確かなのは、
とある者共がOMNE領域を侵犯したことが決め手となった点だった。
この者共は後世において「神域すら逸した者」、
「真理の到達者」など様々に呼ばれたが、
最終的には「侵犯者」という呼び名が定着することとなる。
「侵犯者」たちはどこの世界の住人だったのか、
一つの世界からか、それとも複数の世界から現れたのか、
後世では諸説あるものの、少なくとも出自の一つは確定している。
その一つはかつて「血の世界」と呼ばれた宇宙の住人、
後世において「魔」と称された種の生まれだった。
その「血の世界」の生命は、他世界では見られない特徴を備えていた。
「闘争」によって生命力が増幅、
あらゆる力が高密度化していくという性質である。
この増幅現象は、「血の世界」における生命にとって
捕食行為とならぶ主要なエネルギー取得方法であった。
すなわち、加害行為は捕食やそれに対する防御の手段に留まらず、
それ自体が糧でもあった。
他世界の生命にとっての呼吸や食事と同様、
かの世界の生物にとって「闘争」も生命活動に必要不可欠だった。
そのため、この生命圏は「闘争」、
さらには戦闘を誘引させる「暴虐」が至上本能として備わることとなり、
極めて攻撃的な種族体系「魔」を形成させるに到った。
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