300:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:41:17.14 ID:XVB8s0iW0
魔女側がエヴァの才と知識を手放すわけがないのは当然。
そしてそのアンブラの魔女たる彼女とスパーダが結ばれるというのも
天界・人間界の情勢が許すわけがなかった。
傍から見れば、それはスパーダとアンブラの同盟と映り、
さらに子を授かろうものなら決定的となる。
アンブラ内ではその「同盟」の力を利用しようという強硬論者の声が強まり、
他勢力ではそれを警戒し、敵視する声も強まる。
そして天界主神派、魔神派、賢者、魔女らの微妙な勢力均衡は崩壊し、
それぞれが強硬手段に出て破滅的な事態に陥りかねない。
そして少なくともこの時は、
魔女をはじめ諸勢力はそのような混乱は望んでいなかった。
対魔帝でせっかく形となった平和と協調、当面はその維持に努めようと。
腹底にはそれぞれ野心、軽蔑や敵意を抱いていようとも。
実のところ、スパーダとエヴァは最初から
このような応えが返ってくるのはわかっていた。
拒否を承知であえて要望したのは、ひとえに愛し合ってることを
各勢力首脳が集まるこの場で今一度、宣言したかったからである。
人間界を守った本当の力が何だったのか。
魔帝を倒したのは確かにスパーダの武力とエヴァの知識であったが、
その二人を突き動かした心とは、根底にあった意志とは一体何だったのか、
それを改めて告げるためだった。
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