234:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 13:02:07.15 ID:XVB8s0iW0
1 迷える怪物
スパーダが人間界に本格的に関わりだしたのは、
ヴィグリッドの支援兵団入りから約千年ほど前である。
当時ロキの調査を行っていた魔帝に事情を明かされ、
秘密裏に協力したのが始まりだった。
魔帝はスパーダへ、大胆にも人間界への潜入調査を提案した。
これはロキを大いに挑発しうる行為であり、
かの存在が「無」を使えた場合には最初に餌食にされることを意味していたが、
スパーダはその危険も承知で引きうけた。
武力の探求のためなら己すら材料にするスパーダにとって、
三位一体世界最強といわれたエーシル、
その要素を受け継ぐロキの力には
やはり抗しがたい魅力があった。
また、スパーダはかつて「無限の者」を突如襲ったとおり、
とにかく自ら飛びこんで直接体験するという性格でもあったため、
ためらう要素は一切なかった。
くわえて彼は、人間のことも大いに気になっていた。
人間はエーシルが創り出した種であり、
その自我も世界の目によって生じたもの、
すなわち人間たちもまたエーシルの力が直結した存在だからである。
さらにあの「果実」の原料となるほどの未知なる因子、
そして賢者と魔女の目覚しい成長と力量も魔界まで轟いており、
スパーダが彼らに興味を抱くのも当然だった。
それゆえ人間界に潜入できた暁には、
エーシル関連のみならず人間についても
徹底的に調べあげようと考えていた。
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