216:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:51:16.58 ID:XVB8s0iW0
ただし、ロキも未来の全てを掌握できたわけではなかった。
「『無』を使わずに魔帝を倒す」未来につながる、
とはいえ確実にそこに至るわけではなかった。
むしろあらゆる段階で「魔帝が勝つ」未来に即座に転じてしまいかねない、
絶望的なまでに不安定で成就の可能性が低い道筋だった。
そもそもこの道筋はロキも脇役でしかなかった。
この未来の結果を決定する最大要因は「人間の心」であり、
その動向をロキはひたすら見守ることしかできない、
という代物だったのである。
だがロキに迷いはなかった。
もとより彼は、己を裂いてまで
人間に「世界の目」と自我を与えた神である。
誰よりも人間の可能性を信じる彼にとっては、
「人間の心」に未来を託すなど
むしろ当然の行いであった。
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