215:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:50:27.79 ID:XVB8s0iW0
ロキが勝利するには、かの決戦まで『無』を秘匿するしか方法がなかった。
それゆえ魔帝への『無』使用は困難であり、
彼は別の方法をとらねばならなかった。
そしてこの「『無』を使わずに魔帝を倒す」未来へつながる唯一の道こそ、
ロキが『時の記憶』についての情報を魔女と賢者に与える、
という行動をとることであった。
彼は誰にも悟られないよう長期間かけて
少しずつ「世界の目」に『時の記憶』の情報を送りこんでいったのである。
人間たちの「心」が、勝利をもたらすよう願いをこめて。
これこそ、かの魔女たちが
「世界の目」から見出した情報の真実だった。
また一つ幸いだったのは、
この時期はロプトからの妨害は一切なかったため、
これら作業が非常に円滑にできた点である。
当時、ロプトは予想外の魔帝の行動に振り回され、
状況に手が出せなくなり活動を一時停止していたのである。
ロプトもロキと同様、『時の記憶』の断片を有しており
未来も体験可能であったが、エーシルから分離した際の配分の関係上
力が弱かったロプト側はその精度も低かった。
それゆえロプトは未来の分岐を選別しきれずに見誤っていた。
当初、彼は自身の力を回復させてから魔帝を処理する予定だったものの、
復活前に魔帝が動くという未知の未来へと到ったために
手を出せなくなっていたのである。
ちなみに、『無』の力は消滅したとロプトが誤認してしまったのも、
さらには「ロキが勝つ未来」を見落としたのも、
この精度の低さが原因だった。
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