214:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:49:53.15 ID:XVB8s0iW0
ロプトという思念は、かつてのエーシルのうち
「人間に自我を与えることを拒否した部分」が核になった存在である。
それゆえ潜在的には魔帝と同様、人間にとって最大級の脅威であり、
人間に自我を与えたロキにとっての宿敵でもある。
その宿敵ロプトが今、
力を取り戻すべく長大な策略を進めていること、
かの竜王事件がそのロプトの計画の一部だともロキは知っていた。
そしていずれ訪れるかもしれない遠い未来。
復活したロプトとの決戦では、
『無』こそが最後にして唯一の切り札となることもすでに知っていた。
だからこそ、ロキは今ここで『無』を使うわけには行かなかった。
単に力を温存するためではなく、
「『無』の力をいまだに使える」という事実をロプトに知られないように。
というのも、将来の決戦においてロプトに勝利するには、
「ロキは矮小化によって『無』の力を喪失した」と
ロプトに誤認させ隠しておく必要があったからである。
かの未来の決戦時、ロプトはロキから多くの力を奪うが、
『無』の残存は知らなかったためにこれを奪い損ねてしまい、
その残った『無』よってこそロキは逆転勝利するのである。
そしてこれこそ、唯一の勝利の未来でもあった。
そのため、今ここで『無』を使って魔帝に勝ってしまうと、
当然ロプトに知られてしまい、
その場合の未来はどのような選択をしても
全ての結末においてロプトに『無』を奪われて
ロキが敗北することが確定していた。
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