ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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165:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:22:52.21 ID:XVB8s0iW0

それは、魔界への傾倒を
究極のところまで発展させるという策だった。
具体的には、従来用いられていた悪魔との契約術をさらに強化して、
魂そのものを契約相手と同化させることにしたのである。

これにより、もし「魂の苗床」にて如何なる操作を受けていようとも、
契約を交わした瞬間にそれらが消去され、
「弱き人間」としての制限も完全排除され、
旧来の「強き人間」へと後天的に変じることができた。

加えて悪魔との魂同化によって、元々の「強き人間」よりもさらに強くなり、
より強大な新世代の魔女を輩出させることもできた。

一方で、やはり大きな代償もあった。
契約相手の悪魔と一身同体となってしまったことで、
相手からの精神汚染の危険が飛躍的に高まることとなった。
少しでも気後れしてしまうと、正気を失うか、主従関係が入れかわって
相手に従属させられる危険性が増大した。

さらに死後、その魂は契約相手に引かれる形で
魔界に落とされることにもなった。
この契約を結んだ者は死をもってしても、
苦痛から解放されることも無くなったのである。

くわえて契約そのものがきわめて高難度になり、
契約時に相手悪魔に殺される、同化の負荷に耐えられず死ぬなど、
未熟な若き魔女たちにとってはより危険な試練となった。

しかしこれら代償があろうとも、魔女たちは方針を変えなかった。
天に屈するくらいなら、魔に飲みこまれるほうが良い。
それが彼女たちの結論だったのである。

そして必然的に、これほどの強硬策は
魔女の孤立をもたらすことにもなった。



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