156:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:18:19.39 ID:XVB8s0iW0
信仰体系の次に重要だったのは「配役」だったが、
「台本」たるオーディン位相群はそれらもしっかり対応していた。
まず混沌神族の子である者たちは、
オーディン位相群に現れる「能力者」と呼ばれる出生に配役された。
はるか後世には「原石」とも呼ばれた者たちである。
また他の「弱き人間」たちの集団も、
それぞれ整備されオーディン位相群に重ねられていった。
たとえば天界諸派閥が従えた「弱き人間」からなる下部組織、
各信仰体系の管理を地上側で担うこの集団は、
オーディン位相群における「魔術師」と呼ばれる層に配役された。
彼らの第一責務は地上側における信仰管理であったが、
それには実力行使を伴う分野も含まれており、そのための知識と技術も与えられた。
それぞれの信仰体系を脅かすほどの者、
あるいは天界の望まぬ形で人間社会の動乱が生じた場合、
一番最初に対応するのが彼ら「魔術師」であった。
また混沌神族の子、もとい「能力者」を討伐する責務も担っていた。
ただし、彼らの「魔術」は賢者・魔女の力とは全く異なるものだった。
「弱き人間」は魂があまりに小さかったため、
賢者・魔女と同じ技術を扱うことはできなかったのである。
彼らが用いた「魔術」とは、オーディン位相群の中にあった代物、
魔神たちの旧世界で使用されていた古いものがそのまま流用された。
また、式を行使するための霊的な力についても、
その供給源は賢者・魔女とは大きく異なっていた。
古の「強き人間」である賢者・魔女は自身も強大な力を有し、
さらには天界・魔界から直接引き出した力も使っていたが、
「弱き人間」は霊的な力が逆に吸いとられ、
かつ天界・魔界の力にも耐えられないため、
専用に薄められた力がセフィロトの樹を通して供給された。
すなわち彼らの魔術行使は、源の部分でこれまた天界の制御下にあったのである。
天界の意、もとい主神派の意に沿わない場合、
その魔術への供給を遮断することも可能だった。
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