148:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 12:14:42.33 ID:XVB8s0iW0
ただし、かつて原初世界群にて
魔神たちが有していた本来の力に比べれば、
この新しい『位相』操作機構は大きく制限されたものであり、
これを彼らは皮肉をこめて『全能お試し版』と呼んだ。
この『お試し版』、操作可能な範囲と対象はあくまで
限定された人間界の物質世界内部のみであった。
また操作できる対象も、その霊的な力が削がれていること前提であり、
強い霊的な力を有しつづけた賢者・魔女には影響は及ばなかった。
とはいえあくまで「弱き人間」を物質領域からも管理する、
そのための機構であるため、この程度の機能で十分だった。
また縮小単純化されたおかげで、
『位相』操作を受けない異物によって『位相』世界が乱されたとしても、
いつでも柔軟に操作でき、速やかに調整・修復できるという利点もあった。
そうして魔神たちは『位相』操作の基礎となる枠組みを構築させ、
いよいよ具体的な内容の設計にうつった。
新しい世代の人間はどのような世界に生きて、
どのような歴史を綴っていくのか。
魔神たちはそれぞれ新たな世界像の素案を提示し、
それらは主神派によって入念に吟味され、熟考の末に一つに選ばれた。
それはもっとも若き魔神、「オーディン」が作った素案であった。
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