128:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:18:19.32 ID:XVB8s0iW0
18 竜と「聖なる右」
天界においても、この竜王暴走は非常事態と受け止められ、
特に魔神たちが強い反応を示していた。
賢者・魔女と同様に魔神たちにとっても相性が悪い、というだけではなく、
「竜」というシンボルと「式を破壊する力」という組み合わせが
彼らを珍しく真剣にさせた。
彼らがかつて属していた旧世界にも
同じ組み合わせの存在があったからである。
「人間」という存在が酷似している等、
魔神たちの旧世界と「新しい人間界」は似ている部分があったが、
ここまで具体的な近似が生じたのは初めてだった。
それに対する魔神たちの反応は様々だった。
ある者は懐かしがり、ある者は研究対象として夢中になった。
そしてとあるもっとも若き魔神、「オーディン」は激しく嫌悪した。
「彼女」にとって、竜と式破壊の組み合わせは特別な意味があり、
それゆえこのような「贋物」は許せなかったのである。
そんな彼女の嫌悪に満ちた提言もあり、
魔神たちはひとまず竜王討伐が先決との意見で一致した。
この新世界の悪しき竜は即刻対処せねばならないと。
そしてその意志は天界全体としても一致していた。
ジュベレウス復活に「世界の目」が必要な以上、
それが存在する人間界の破滅は必ず防がねばならなかった。
313Res/336.05 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20