ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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119:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:14:00.59 ID:XVB8s0iW0

とはいえ、これは反感の一部分に過ぎなかった。
人間に対する負の感情、その大元はさらに昔、もっと根深いところにあった。

それはエーシルの選択、ロキとロプトへの分離である。
人間に自我は必要ない、というロプト側の意志がもし果たされていれば、
混沌神族こそが現世を含む混沌界の全てを受け継げたはずだった。

だがその魅惑的な未来は実現しなかった。
実際にはロキ側の意志が勝り、人間は第二の子となり、
「世界の目」と現世の支配権が与えられたからである。

「魅惑的な未来」は失えば「毒」となる、
その拭いがたい失意は混沌神族の心を燻らせることとなった。
もっとも、彼ら神々自身が卑しい欲を有していたわけではない。
ロプトが「魅惑的な未来」を与えたためであり、
すなわち創造主によって設定された本能に等しく、
完全に抗うことは困難なのである。

後世の視点をとれば、すでにこの頃からロプトによって
世界を狂わせる悪しき「種」が巻かれていたことになる。

神々はエーシル=ロキの選択を甘んじて受け、
しばらくは健気に、そして善意によって弟たる人間を愛したものの、
この「毒」は秘かに彼らを蝕みつづけた。

そして繁栄する人間に置き去りにされ、力関係が逆転し、
さらには人間に見下されるようになった頃。
神々の愛情は屈辱と失望によって歪み、ついに嫉妬と憎悪へ転化した。



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