ダンテ「学園都市か」前時代史(仮)
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100:名無しNIPPER[sage saga]
2022/03/22(火) 01:04:16.11 ID:XVB8s0iW0
反乱が発生したとき、魔帝はまず
反乱者が力と自信を蓄るのを静かに待った。
そして自ら挑戦してきたところで、ようやく魔帝は力を見せつけて、
高ぶっていた反乱者の闘志と自信を粉砕した。

魔帝に挑んだ自身の愚かさ、そして弱さを徹底的に知らしめ、
最大の屈辱と敗北感のなかで殺害した。
あるいは死が救いとなるような者であれば、
殺さずに凌辱しつづけ、永遠に辛苦を抱かせたまま
従属させるという生き地獄を歩ませた。

魔帝によるこれら加虐的な遊興への執心は並々ならぬものがあった。

「奴隷」たちをより苦しませるために、
『創造』の力を用いてわざわざ手の込んだ舞台を用意することもあった。
苦痛や屈辱を最大化させるためなら、
相手に不釣合いな労力をつぎこむことも惜しまなかった。

ムンドゥスの『創造』の力は、新たな命を小手先で創りだせるほどであり、
その気になりさえすれば三位一体世界とは別の新世界を創り出すことさえ可能だったが、
彼はそんなことに一切興味をもたなかった。

そもそも自ら創りだした「操り人形」相手では、
彼の加虐欲を満たすことはできなかったからである。
『創造』で新生命すらも容易に創りだせるが、
容易であるがゆえに自身の被造物は無価値であると彼はみなしていた。
虐げるために創った存在を虐げて何が面白いのか、と。
生来の自由と独立性を有する存在から、それらを奪って虐げてこそ意味がある、と。

つまるところ、彼が魔界における「闘争と暴虐の日常」を推奨したのも、
「魔族強化のため」などという方針は建前に過ぎず、
本質は個人的な悪意に満ちた欲求によるものだった。

新世界を生み出せるほどの『創造』という力を有しながら、
彼には創造的志向は欠片もなく、
この力はもっぱら他者を支配し虐げることに注がれたのである。


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