ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」「「消えた!!?」」
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15: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:41:09.28 ID:7TpWqrtf0

 もう遅いからいったん帰ろうと、ドラえもんはそう三人に切り出すと、案の定ジャイアンが怒って、だけど家族が心配するからとなだめて、ようやく帰っていった。

 時空間に関する道具はやっぱり使えないままだったし、ドラミとも連絡が取れない。今できることは何もなかった。

 ママがぷんすか怒っていたので道具を使って一時的にのび太がいないという事実を忘れてもらう。パパにも同じことをした。

 のび太のいない部屋で一人、ドラえもんは座っている。

(ボクが帰った時も、こんな感じだったのかな)

 一度、のび太と、この時間とお別れしたことがあった。あの時とは違ってのび太は何処かに行ったままで、ここが帰る場所なんだとわかっていても、でも“本来いるはずのない人がいない”という寂しさは、きっと同じものだと思う。

「どこ行ったんだよ、のび太くん」

 思わず愚痴をこぼして、だけど答える人は誰もいなくて、ロボットの癖に涙が出てきて、だけど肝心のポケットからは何も役に立つ道具が出てこない。

「道具がないと、ホント、ボクはポンコツ中古ロボットだなあ」


『――そんなことないよ』


「!?」

 机の引き出しから確かに、声が聞こえた。

「のび太くん!? おおい、いるならいると返事しろ!」

 引き出しに向かって、ありったけの声をかける。

 すると、ゆっくりと引き出しが、がたん、と一回揺れて。

 誰も引っ張っていないのに、引き出しが開いて。

「ごめん、僕はそっちにいけないんだ。ドラえもんから来――」

 声が終わる前に、飛び込んだ。




 うわああああああああああああああああ!!

 わあああああああああああ

 あああああ……




 ドスン!


「痛つつつ!」

「ドラえもん! まだ受け入れる準備も出来ないのに無理するなよ!!」

「あれ?」

 声は確かに面影あるが、ここにいるのは知っているのび太の姿ではなく、

「ごめん、僕は野比のび太だけど、ドラえもんの知ってるのび太じゃないんだ。別の世界の、未来ののび太なんだよ」

「あ、え? えっと」

「あー、床に穴開けちゃって。ホント、ドラえもんはドジで間抜けだ」

「のび太くんに言われたくないよ!!」

 反射的に返すけど、知っているのび太と違って、目の前ののび太は嬉しそうに笑うだけだった。

「そっちの時間軸のボクが紛れ込んじゃってね。すぐに返したかったんだけど、いろいろ難しいこともあって」

 ボリボリと頭を掻く姿は、やっぱりのび太だった。

「怪我でもしたの?」

「そうじゃないんだけど、説明すると長くなるんだ。止めておくことも出来るけど、でもドラえもんには聞いてほしい」

 そして子供ののび太にされた説明が繰り返される。ドラえもんはのび太よりは冷静だった。




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