ドラ「のび太くんが」のび「ドラえもんが」「「消えた!!?」」
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13: ◆86inwKqtElvs[saga]
2022/02/10(木) 21:37:31.67 ID:7TpWqrtf0

「で、ドラえもんもさ、過去を変えようとしてたじゃない。僕らを良くすることで。でもそれは逮捕されない。不思議に思ったことはない?」

「んー、言われてみれば」

 ドラえもんはそんな悪いことするわけないけど、確かに言われてみると違いが良くわからないかもしれない。

「どうしてかっていうとね、ドラえもんが来たことでのの影響ってのが」

 ホログラムの川に、小石が落ちて、僅かに波紋が広がっていく。舟が僅かに揺らいだ。

「この程度なんだ。本流には無視していいぐらいのレベルでしか影響がない。だからこれは歴史改変に当たらないんだ」

「そうなの?」

「ドラえもんはね、ドジでそそっかしくて間抜けだけど、そこはちゃんとしてたんだよ」

 容赦のない物言いに、やっぱり僕はボクなんだなあと変に納得した。

「未来の道具なら、僕をもっと楽にすぐに天才にすることだって出来たはずなんだけど、なんだかんだで僕自身が努力するようにしていただろう?」

 そしてなんだかんだで助けてくれたけど、と大人ののび太は笑った。

「ドラえもんが来たことの影響はね、来なかったとしても、僕が努力していたら手に入れられる程度のものでしかなかったんだ。それだけなんだよ」

 自嘲という言葉を、のび太は知らない。だから、のび太にとって今の大人ののび太はとても寂しそうな笑い方をしていて、それがなんだか、とても苦しかった。

「静香ちゃんと結婚しても、ジャイ子ちゃんと結婚しても、どういう結果になっても、小舟が一艘ちょこまか動くだけなら、時間には何も関係ないんだ」

「ねえ、昔のボク」

 大人のび太は、そんな寂しそうな笑い方をしたまま。

「ひとりで、頑張れないかな?」

 そんな、意味の分からないことを、言ってきた。


    ЖЖЖ


「あったあ!」

 ドラえもんが叫ぶと、三人が一気に駆け寄る。

「手掛かりがあったの!?」

「うん、タイムパトロールから、タイムトラベラー……この場合はボクだね、それに向けた注意喚起の文章だ。全然読んでなかった」

「早く読めよ!」

「えーっと、『時空テロ組織、時空間原理主義集団Aについて』」

「なんだ、そのAとかって」

 スネ夫が代表して訊くと、ドラえもんも困ったように、

「ボクも詳しくは知らないんだけど……タイムパトロールも良くわかってないから。でも時空間原理主義ってのは聞いたことがある。簡単に言うと、未来人が過去に干渉するのは一切やめようっていう人たちのことだよ」

「それって、ドラちゃんも入るの?」

「この人たちは観光だけの時間旅行とかも一切許さないって聞いたことがある」

「なんでダメなんだ?」

「ギガゾンビみたいに、歴史を変える恐れがあるから……だったと思う」

「ドラえもん一人で?」

「バタフライエフェクトって言葉があるんだ。日本で蝶が羽ばたいたら、ニューヨークで嵐が起きるっていう話」

「蝶の羽ばたきみたいに些細な風でも、様々に入り組んだ要因で、遠い遠い場所で嵐を起こすかもしれない。何がキッカケになるかわからない、だから時間はあるがままにしておくべきだ、っていう意見だよ」

「ウラシマ効果ってやつ?」

「タイムパラドックスとかもそうだよ。だからそういう意味では、一理あるんだ」

「でも、未来ではドラちゃんみたいな人がいっぱいいるんでしょう?」

「うん、未来ではね、そんな危ないことが起こりそうになったら、探知する機械があるんだ。そういう時は必ず時空乱流が発生しているからね。時空乱流が発生しない限り、時の流れはそのまま流れる」

「時の流れって、みんなが思ってるよりずっと大きくて、強いんだよ」

「だから、ボク達未来人は、ちょっとだけ過去に寄り道が出来るんだ」



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