真希波・マリ・イラストリアス「If you would be loved, love and be lovable.」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2022/01/13(木) 23:36:02.93 ID:uMlJm/KKO
「さて、そろそろ……」
「手を繋ごうか、マリさん」
「ほほう? 先手を打ってきたか」

機先を制されるのも悪くない。差し伸べられた手を取ると、四季を取り戻した日本の冬の寒さが少しだけ緩まった気がする。暖かい。

「君にはもうリードは必要ないみたいだね」
「どうかな。少なくとも、マリさんにリードされているほうが楽なのは、今も同じだよ」

半歩先を歩く私が手を引いて、シンジくんがついてくる。転ばないように、石をどけて。
躓かないように、時折後ろを振り返りつつ。

「あれ? マリさん、道間違えてない?」
「うんにゃ。こっちは遠回りルート」
「寒いのになんで遠回りをするの?」
「それは当然、得るものがあるからさ」

残業帰りにひとりでこっそり開拓した帰宅ルートの途中には宵闇に包まれた公園があって、街灯の下のベンチには目もくれず歩む。

「ほい、とうちゃーく!」
「到着ってここ公衆トイレだよ? もしかしてずっと我慢してたの? なら早く家に帰……」
「いいからいいから、入った入った!」
「うわっ!? お、押さないでよ!?」
「力押ししか、ないじゃん!」

少しだけ大きく、広くなったシンジくんの背中に体当たりをして個室に入れ、ガチャリ。
施錠したこの空間は密室であり、監禁状態。


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