【ミリマス】周防桃子『おとぎばなしで、きっと』
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17: ◆Kg/mN/l4wC1M[saga]
2022/01/10(月) 19:34:07.92 ID:170ffVuV0

「あの、ね。その……うまく言えないんだけど……。桃子、公演が終わってほしくない、いつまでもこの時間が続いてほしいって思ったの」

心の中に浮かんでくる言葉を、そのまま呟いた。
それをぽつりぽつりと声にするごとに、桃子の指先はだんだんと冷たくなっていく。

「だけど……」

その言葉の先を声にしてしまうのが、怖かった。
だけど、このままじゃ、前に進めないから──。

「その夢の時間は……桃子がどれだけ願っても、いつか終わっちゃう。……それが、さびしくて」

それは、どうしようもないことだから……桃子は……。

抱えた膝が、滲んで見えた。
切なくて、寂しくて、悔しくて……。
今の自分の気持ちが何なのか、桃子にだってよく分からなかった。



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