馬場このみ「シクラメンの花の香」【ミリマスSS】
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6: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2022/01/06(木) 22:57:56.76 ID:dy8vOWdb0
「二人とも今日もありがとねぇ。はい、お通し」
「ありがとうございます」
女将さんがお皿を置いた。柿と春菊のお浸しだ。薄目に切った柿は赤みを帯びた橙色で、春菊の鮮やかな緑色とのコントラストが美しい。
まずは春菊を食べてみる。火の通りが絶妙で、シャキっと小気味よい食感の後に、春菊の爽やかな香りが広がる。今度は柿を箸でつまんで口に運ぶと、優しい甘さがして、それが春菊の風味と、薄目の出汁の心地よい味わいがマッチしている。
「これ美味しいわね」
「うん。柿もお浸しの具にして、こうして食べられるものなんだな」
こうしたひと手間あるものが出てくると、お通しでも嬉しくなる。
「そうよね。皮剥いてそのまま食べるくらいしか考えられないもの」
「今日はお浸しにしてるけど、白和えにしても美味いんですよ。それと、はい。サワラのたたきと茹で落花生ね」
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