22: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2021/12/26(日) 23:24:11.16 ID:4Xl2PJ5H0
がらりと戸を引いて外に出た。正午が近い商店街は、変わらず賑わいを見せていた。
ふと、ネイチャはトレーナーのことを頭に思い浮かべた。彼の特別講義は正午過ぎまでする予定だと昨日言っていた。となれば、帰りの新幹線に乗る前に昼食を済ませるには、時間がないかもしれない。
隣に併設された鶏肉専門の総菜屋に目を向けると、鶏のから揚げが積まれている。そうだ、とネイチャは思いついた。少しばかりではあるが、トレーナーにこの唐揚げをお土産代わりに買っていこう。朝から熱量高く講義しているから、きっとお腹を空かせているはずだ。新幹線に乗る前に駅弁を買うだろうから、追加のおかずとしても丁度よいだろう。
先日の予定をすっぽかしたこと、そして勝手に自身のポスターを作っていたことへのトレーナーへのもどかしい感情は、どこかへ消え去っていた。
ネイチャは百グラムほど鶏の唐揚げを購入した。唐揚げをもう百グラムほどおまけに貰ったのは、ネイチャの愛嬌ゆえだろう。なお、総菜屋の女性からも「旦那はどうした」と訊かれ、ネイチャをまごつかせたことはご愛敬である。
・・・・・・・・・・
29Res/25.11 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20