21: ◆kBqQfBrAQE[saga]
2021/12/26(日) 23:23:40.31 ID:4Xl2PJ5H0
丼を置くと、ネイチャは息を吐いた。その溜息は充足感と幸福感に満ちていた。
ネイチャは最後に、残った吸い物を口にした。少し冷めてしまっているものの、締めには丁度よい。ほんのりと甘みのある吸い物は、口の中の油気を洗い流すが、トリカツ丼の余韻を残してくれた。
もうしばらくこの余韻に浸りたいという名残惜しさはあるが、ネイチャは手を合わせて食後の挨拶を済ませると、座席から立ち上がり、女将に声をかけた。外では客が待つほどの盛況であり、足早に会計を済ませるのが筋である。
「ご馳走様でした。美味しかったです」
お釣りを受け取りながら、そうネイチャが言うと、女将も、
「また来てくださいね」
と朗らかに答えた。
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