キョン「どうやら俺は、お前のことが大好きだ」佐々木「……やれやれだね」
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3:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/26(日) 20:25:04.98 ID:Pq65kueIO
「お前の言ってることを、俺は否定しない」
「だろうね。否定なんて出来やしない。何故ならキミは僕のことなんて理解していないからだ。僕はこんなにキョンのことを理解しようと努めているのに、キミはそれをしない」

佐々木のことは誰よりも知ってるつもりだ。
一人称を僕にしているのは恋愛と距離を置きたいのだとわかっているし、好意を伝えてから一度も目を合わせない理由もわかってる。

「目を合わせないのは嘘をついてるからだ」
「嘘? 親友のキミに僕が嘘を吐いていると? やれやれ。みくびられたものだね。僕がそんな不誠実な人間だとしてそんな相手を好きになったキミは余程物好きか、変わり者……」
「佐々木、こっちを見ろ」
「っ……こ、これで満足かい……?」

ようやく目が合った佐々木の目は充血していて、潤んでいた。上気した頬に精一杯の虚勢として浮かぶ笑窪は皮肉さとは程遠かった。

「まさか喜んだらいけないと思ったのか?」
「どうだろうね。少なくとも、警戒したことは確かさ。この世界はそんなに甘くはない。何かとても嬉しいことがあったとしても、次の瞬間には絶望に変わっても何ら不思議ではない。だから、キョン。僕は……怖かった」

そう言って、佐々木の目尻から涙が伝った。
くつくつと湿った嗚咽を零しながら、肩を揺らす佐々木を見て、やれやれと溜息を吐く。

「俺はお前にフラれるのが怖かったよ」
「……………ご期待に添えず悪かったね」

素直じゃない親友との駆け引きは、疲れる。


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