63: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 13:46:17.67 ID:86/EQe0g0
「聖母サマがわざわざウチのクラスに来るなんてねー」
隣の友達が腕を組み、うんうんと頷きながらそう言う。
「別に、クラスにぐらい来るんじゃないの?」
「今ぐらいの用事、例の子豚ちゃんに言えば、ぶひぶひ言いながら喜んでやってくれるのに」
なるほど、確かにそうかも知れない。
子豚ちゃん達はいつでも朋花の役に立ちたがっているし、朋花もそんな子豚ちゃん達の為に細々とした用事を命じたりもしている。
彼女は別に傲慢でも高慢でもない。子豚ちゃんが喜ぶ、彼女のためになることを与えてあげているのだ。使命を与え達成させるのも聖母の役割、そう言って。
その意味では私なんかにちょっとした伝言を頼むのは、子豚ちゃん向きの良い使命だったかも知れない。
それなのになぜ、朋花は自ら1番遠いA組までやって来たのか。
「私に、会いたかった……から?」
そうだったらいいな……と、私はありそうもない願望を口にしていた。
101Res/65.97 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
書[5]
板[3] 1-[1] l20