36: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 13:24:20.62 ID:86/EQe0g0
私はその光景が嬉しかった。
たくさんの数と種類の花に囲まれても、朋花は負けずに美しくそこにいる。いや、彼女自身が周囲の花を引き立てている気すらする。
朋花ぐらいきれいだと、周りから浮いちゃうんじゃないかと思ったが、花の中の彼女はその美しさにおいて調和がとれている。
「意に沿わぬ花でも全体からすると調和がとれて美事な一点に見えることもある……か」
「はい〜?」
「前に朋花が言ってたこと、ちょっとわかった気がする」
朋花は小首をかしげた。
「言ったのは私ではなくて、佐々木判官様ですけどね〜」
「佐々木道誉じゃなかったっけ?」
「判官は役職名で、そう呼ばれることもあるんですよ。ちなみに道誉というのも出家してからの名で、本名は佐々木高氏といいますね〜」
「そっか。覚えておく」
朋花は微笑んだ。
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