28: ◆VHvaOH2b6w[saga]
2021/12/20(月) 13:17:49.36 ID:86/EQe0g0
「ずいぶんと、仲良くなったのね」
肩をすくめて苦笑しながらお母さんが言う。
「え? なんで?」
「これ生け花なら、四種いけでしょ? あなたの流儀にその娘が主義を曲げて作ってくれたのよ。いいお友達ね」
「あ……そうか」
「大事になさい」
「うん」
お母さんの言うとおり、私はなるべく花束のまま自分の部屋に朋花の花を飾った。そして財布の重さを気にしなくて良くなった目で見ると、やはり彼女の花束は見事だ。
それになによりお母さんは私の教育のために言ってくれたんだと思うけど、それより私はなんだか彼女が部屋にいてくれるみたいで嬉しい。
「おやすみ、朋花」
私は花にそう声をかけ、その日は眠った。
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