【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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389: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/02/26(土) 21:27:53.02 ID:p9rWvgZuO

濃厚と和え玉4枚を店員に渡す。いつもはハイテンションなバクシンオーだが、さっき注意されたからか珍しく大人しい。

「ウマスタにアップするのは?」

「着丼直後の撮影はいいそうだ」

「よかったー。にしても……すごいね」

カレンがちらりと隣の客の丼を見る。スープはどこまでも濃く、セメントのような粘度だ。

「食うとさらに驚くぞ。……と着丼だ」

丼の半分ぐらいが分厚いチャーシューで覆われている。そこに海苔と刻みタマネギ。煮干しのエグみを中和するのに、タマネギは欠かせない。

まずはレンゲでスープをすくう。ドロっとしていて、見るからに濃い。口に含むと……


パシーンッ!!


ワイシャツのボタンが弾け飛んだ。バクシンオーは「バック……」と叫びかけたが、自分で口を塞いでいる。


強烈、かつ鮮烈な煮干しの香りと旨味が口いっぱいに広がる。
しかし、一切の苦味やエグみはない。煮干し特有のしょっぱさは感じるが、それは煮干しの風味を損なわない、極めて微妙なバランスで留められている。


「「美味しい……!!」」

カレンとデジタルが同時に呟いた。この強烈な味は、理屈抜きで人にそう言わせるだけのものを持っている。

箸で麺をリフトアップする。細ストレート麺で、かなり硬めの茹で上がりだ。そこには特濃のスープが、ガッツリと絡んでいる。
啜ると、パキパキとした食感と共に煮干しがこれでもかと舌を刺激する。まるでスープを食べているかのようだ。
そのパワーに、箸が止まらなくなる。スープは飲んでもいないのにみるみる減り、あっという間に半分ほどになっていた。

ふと見ると、バクシンオーはほぼ食べ終えようとしている。……これは少しまずい。

「バクシンオー、スープがなくなる前に和え玉を」

「にょわっ!?でも、どう食べればいいのですか?」

「『高野』のように別に食べてもいいが、ここはつけ麺みたいに食べた方がいいな」

私もそろそろ頃合いだ。店員に和え玉を作ってもらうよう頼む。



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