【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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204: ◆/4adlfiarI[saga]
2022/01/29(土) 18:07:19.86 ID:4vJdc4mNO

その時、コンコンとノックの音がした。

「失礼しま「お兄ちゃん!!」」

ドスンッ

ドアが開くと同時に、小柄な人影が私に向かって飛び込んできた。
強烈な衝撃を、私はその腹直筋で受け止める。

「お兄ちゃん!!会いたかったよ〜♪」

「ハハハ……人前だからやめなさい」

「むう。1ヶ月以上も会えなかったんだよ?お兄ちゃんは寂しくなかったの?」

「いや、寂しかったよ。ただ、流石に恥ずかしい……「コホン」」

妙齢の女性が咳払いをする。

「仲がよろしいのは結構ですが、場所を弁えて頂きませんと」

「申し訳ございません、理事長代理」

少し顔を赤らめながら、樫本理事長代理が私を見た。

「全く……気持ちは分かりますが。身体が無事だったのは、本当に幸いでした」

私は小さく頷く。そう、本当に幸いだった。



カレンは香港スプリントに遠征していた。本来なら私も同行するのが筋だったのだが、私は学園で教鞭を執らねばならなかった。
東京で学会に出なければならなかったこともあり、現地での調整を樫本代理に任せることになったのだ。


そこで、悲劇は起きた。


第4コーナーで、彼女の前を走るウマ娘が、突然骨折し倒れたのだった。


カレンはすかさず、勝敗を度外視して大きく外に進路を変えた。かなり無茶な進路変更だったが、おかげで「カレンは」何事もなくレースを終えた。最下位ではあったが。

だが、転倒の巻き添えを何人ものウマ娘が食い、相次いで倒れた。


時速数十キロで走るウマ娘が転倒した時の衝撃は……人間とは比べ物にならない。


死者こそ出なかったが、1人は意識不明の重体。2人が脚や腰の骨を折り、競争バ生命を絶たれた。


どれほど香港に行きたいと思っただろうか。しかし、出入国制限がかかった中でそれは不可能であった。
樫本代理からの情報を頼りに、この1ヶ月を過ごしてきた……というわけだ。



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