【コンマ】ウマ娘とトレーナーがラーメンを食べに行くだけのスレ
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117:名無しNIPPER[saga]
2022/01/16(日) 23:05:40.01 ID:zSgUm9fwO
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待つこと1時間弱。ようやく店内に通された。

「この『鶏の中華そば』を注文すればいいんですか?」

食券機の前で、アリーム君が訊く。

「それでももちろん構わない。が、私が注文するのはそれではないよ」

「え」

「こちらだ」

私は食券機の下部、「鶏つけそば」を指差した。

「つけそば、ですか」

「ああ。こちらの方が、より強烈に鶏の風味を感じられるからね。それと『和え玉』も頼むつもりだ」

「和え玉、とは?」

「ここは大盛りがないからね。その代わりというわけだ。まあ、頼んでみてのお楽しみ、だな」

結局、4人全員が特製鶏つけそばと和え玉シングルを注文することになった。

「色々素材について書いてありますのね。スープは『信玄どり』と『錦爽どり』の鶏ガラに手羽先、胸ひき肉、野菜、昆布……随分凝ってますわ」

「スープはラーメンの命、だからな。……っと、来たぞ」

店員がまず麺を持ってきた。丼の中には昆布水。そしてその中に麺が泳ぐ。穂先メンマが丼の周囲を取り囲み、麺の上にはとろろ昆布。独特のビジュアルだ。

「……これが、つけそば?」

「いや、麺だけだ。ただ……」

「バックシーン!!!」

説明する前に、バクシンオーが麺だけ食べ始めてしまっていた。

「ちょっと、バクシンオーさん?」

「これがつけそばというものですか!!少し硬い、パキパキとした麺にこの……スープ?がよく絡みます!おいしいです!!」

「天王寺トレーナー、あれでよろしいのですか?」

困惑するマックイーンに、私は軽く頷く。

「まあ、間違いじゃない。バクシンオー、つけ汁の分も残すように」

「分かりました!」

もう麺が半分なくなっているが、それはもうしょうがない。私は箸を持ち、麺をリフトアップする。

「まず麺だけを味わうのが、ここの流儀だ。では……」

啜ると、麺と共にやや粘度のある昆布水が口の中に入った。この噛み応えのある麺の存在感。そして、それに負けぬ昆布水の旨味。これだけで既に、完成された麺料理と言える。

「美味しい……しかし、鶏の風味は」

「それはこれからだよ」

続いて店員がつけ汁を持ってきた。「左右どちらに置きましょうか?」と訊いて来たので、左と告げる。こういう対応は、他店ではあまり見ない。

「これに、麺をつけますの?スープに浸かった麺を、別のスープにつけたら、味がぼやけませんこと?」

「それがここの素晴らしいところだよ、マックイーン君」

彼女は恐る恐る麺をつけ汁につけ、啜る。すぐにその表情が一変した。


「これは……なんという……!!」





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