長門有希「私たちだけの、音色だから」キョン「ああ……そうだな」
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4:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/08(水) 23:16:40.37 ID:6M8v8nm7O
「な? やっぱりお前はすごいよ」

結局、小一時間ほど指南を受けてもつっかえながらワンフレーズ弾くのが精一杯だった。
それでも長門は顔を横に振り髪を靡かせて。

「あなたの音色は、あなたにしか出せない」
「そうかい……そいつは存外嬉しいもんだ」

似合わない楽器を持った手を腰に当てつつ、弓の背で肩を叩く俺は、存分に照れていた。

「でもヴァイオリンは難易度高いな」
「そう」

手に余る楽器を返すと長門はなんだか寂しそうに見えた。俺はそんな顔が見たくなくて。

「今度はピアノを教えてくれるか?」
「教える」

早速グランドピアノの蓋を開こうとする長門に苦笑しつつ、時計を指差し時刻を示した。

「下校時間が過ぎてるからまた今度な」
「わかった」

そうして長門からピアノのレッスンを受ける日々が始まって、丁度、クリスマス前の夜。

「合わせてみる?」
「へ?

ようやく両手とペダルを使って弾けるようになった俺の傍らに、ヴァイオリンを持った長門が立ち、ピチカートで前奏を奏で始めた。


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