長門有希「私たちだけの、音色だから」キョン「ああ……そうだな」
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5:名無しNIPPER[sage saga]
2021/12/08(水) 23:19:48.86 ID:6M8v8nm7O
「Summerなのに……雪か」
「…………」

軽快なピチカートのリズムに揺らされながら出番を待っていると、窓の外にちらほら雪が舞うのが見えて何となしに呟くと、長門は目を閉じながらまるで笑っているかのように愉快に弦を弾いた。ふと気づく。俺も楽しいと。

「っとそろそろか。台無しにしたらすまん」
「…………」

前奏が終わりピアノソロ。緊張はなかった。

「どうだ? こんな感じか?」
「……素敵」

初めての長門の称賛。思わず鍵盤から目を離して横目で見やると、雪が舞い散る月光を背景にして顎当てに顎を乗せた長門はまるで小首を傾げている雪の精霊のようで、それでいて斜に構えて片足を少し曲げている姿勢は男の目から見ても格好良く、俺は呆れながら。

「お前のほうがよっぽど素敵だろう」
「……集中」
「はいよ」

調子に乗って余裕こいてるレベルまで上達したわけではないので無駄口をやめて演奏に集中する。会話はなくとも、通じ合えていた。


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