速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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58:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:44:12.41 ID:u50g9+A20



「カナデちゃん」



 肩に手を置かれて私は意識を取り戻した。顔を上げるとクリっとしたフレちゃんの瞳が私を覗き込んできた。どうやら、少し寝てしまっていたようだ。

 不安そうな、フレちゃんの表情に嫌な予感がした。

 私は血の気が引いた。

 まさか、出番が過ぎてしまったのか。いくらなんでも、こんな失態をするなんて。


「まって、今、何時。私の出番……!」

「カナデちゃんは大丈夫だよー。まだまだよゆーだから」


 フレちゃんが、持っていたスマホで時間を見せてくれた。確かに、寝ていたといっても、本当のわずかだったようだ。私は胸をなでおろした。


「なんだよかった。ごめんね、フレちゃん。探させちゃった?」

「それはいいんだけどさ」


 私はフレちゃんの表情から、まだ不安が消えていないことに気づいた。




「……どうかしたの?」



「あのね、カナデちゃん……」







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