速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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57:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:42:52.54 ID:u50g9+A20


 次の私の出番まで、かなり時間があった。

 控え室に向かう気は、なんとなくしなかった。

 裏側を慌ただしく動いていくスタッフさんたちに目を向けていたが、ぶらぶらしていては、彼らの邪魔になるにように思えた。

 人の邪魔にならないような場所を求めるうちに、舞台から遠いある廊下。立ち入り禁止のポールでふさがれていた通路にたどり着いた。

 ここならば、スタッフさんたちの仕事の邪魔にもならないだろう。

 私は壁を背にしながら、その廊下に腰を下ろした。ぽつんと一人、今の私にはぴったしに思えた。




 目を閉じながら、肌にまとわりつく熱気を、静まり返った廊下が和らげてくれるのを待っていた。





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