速水奏「文、奏でる」【モバマスSS】
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47:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:19:10.45 ID:u50g9+A20


「じゃあ仕方ないなー」

「どう、フレちゃん、レッスンの方は?」

「もっちろん、ノープログレム……って言いたいけど。実際はノーノープログレムだよー」

「あら、意外」

「知ってるカナデちゃん、人間って歌いながら踊れるようにできてないんだよ?」

「みんなやってるけど」

「実は……! 彼女たちは人間じゃないんです……!」

「人間じゃないならなんなの」




「……カワウソ?」


 カワウソ。


「はっ! 或いはフレちゃんがカワウソなのでは? 衝撃の事実!」

「フレちゃん、川にダムでも作ったことあるの?」

「もーカナデちゃん、それはビーバーだよ?」

「あら、そうだった」

「カナデちゃんの方は……なんだかお疲れ?」

「まあね、昨日は一日中ロケ番組だったし、今日もハードだったから」

「あー、観た観た。北海道の大自然で山登りした奴」




「地方の商店街ロケ。そもそも、生放送じゃないんだから、昨日の今日でテレビに流れないって」

「あれ、そうだっけ?」


 おっかしーなーと、フレちゃんは大げさに頭をひねった。


「ロケに言ったら、くたくたで疲れちゃうよねーそりゃ。元気もなくなっちゃうか」

「お陰に最近は忙しいでしょ、今度のライブで」

「だからフレちゃんは苦労中なんですよー」

「そうだったわね、カワウソさん」

「まったくですよ、ビーバーさん」



 私、自分のことをビーバーといった記憶はないのだけど。

 まあいいか。

 

 都会に迷い込んだ、二頭のげっ歯目。それを想像すると、私は口元が緩んだ。






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