40:名無しNIPPER
2021/11/27(土) 22:06:18.14 ID:u50g9+A20
「その言葉には、語弊を感じるな。奏だって出番はある。そうでしょ、奏」
「……ええ、そうね」
だからこそ、私だってこの書類を受けとった。
でも、文香が言いたいのはそういうことではなかった。
「そうではありません。どうして、奏さんはソロを歌わないんですか」
「不満かな?」
「はい」
はっきりと、文香は言い切った。
「私やフレデリカさん、友紀さんや仁奈ちゃんもみんな今回の頂いたソロを歌う機会があります。でも、なんで奏さんだけ、ソロがないんですか?」
「そういわれてもね。本人は気にしていないようだけど?」
背後で固まっていた私に、プロデューサーが投げかけてきた。胸の苛立ちが強くなっていく。抑えようと思っても、語気に感情が漏れ出ていた。
「気にしていないわけじゃないわ。確かに私も気になってた」
「さっき、質問はないって言わなかった」
「あれは……ちょっと驚いてて、質問が頭に浮かばなかっただけ」
実際のところは、少しだけ違う。でも、そんなことをいちいち説明する義理はなかった。
「ほかの子は選ばれてたのに。どうして私は選ばれなかったの?」
「それは……」
「なに、私に言う義務はないってこと? 単なる商品だから、大人しく従っていればいいって?」
「ずいぶんな言いようだね」
プロデューサーは眉間に皺を寄せた。少し、言いすぎてしまったか。落ち着かせるように、短く目をつむった。
「ごめんなさい……謝るわ。失礼が過ぎた」
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