佐藤和真「ダクネス、お前は座椅子になれ」ダクネス「ざ、座椅子、だと……?」
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4:名無しNIPPER[sage sagd]
2021/10/25(月) 23:17:37.15 ID:PqpCOutZO
「そろそろ水も冷たくなったろ」
「ああ。だけど、もう温まった」

指先だけでなく心まで温かい。ホカホカだ。

「アクアたちが眠くなる気持ちもわかる」
「そうだな。俺も眠くなってきた」

この大きな屋敷でひとつのソファに座って固まっている我々はかなり仲が良いと思う。
冒険者のパーティはメンバー同士の諍いが絶えないと聞く。互いの命を預けるのだから、仲が良いに越したことはないのだが、現実は報酬の取り分で揉めたり男女間の痴話喧嘩で解散するパーティも多い。そう考えると。

「カズマが自堕落なおかげだな」
「なんだそりゃ、褒めてんのか?」
「そうだな。私はお前に感謝している」

カズマたちに出会うまで、攻撃が当たらないクルセイダーの私には居場所がなかった。
領主の娘の私は箱入り娘であり、世俗に疎いこともあってなかなか馴染めなかった。

そんな私が団欒を得たのは、ひとえに。

「カズマ。お前のおかげで私は幸せだ」
「ダクネス……」
「なかなかクエストで貢献することは難しいがその恩を返せるように精進するつもりだ」

カズマは今、どんな顔をしているだろう。
呆れているのか、もしや照れているのか。
気になるところだが、その顔は見れない。

「何を馬鹿なことを言ってんだよ」
「カズマ……」
「アクアやめぐみんが寝ちまっても、お前は起きて見守ってくれてる。それがクルセイダーの貢献じゃなくていったいなんなんだよ」

だからさダクネスと。カズマは背中で語る。

「頼りにしてんだから、もっと自信持てよ」

どうしよう……普通にときめいてしまった。


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