勇者になれなかった君へ
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4:名無しNIPPER[saga]
2021/10/10(日) 23:31:44.72 ID:RkVNGFJ20
「勇者の目的は、その自分を取り戻すことで合ってるのか?」

【そう、その道中で魔王を殺したり、世界を征服したりするつもりだよ】

世界征服いたっては、マッチポンプと呼んでも差し支えないのではと思ったが、頭を割られそうなので口をつぐんだ。

どうして、魔王を倒すんだ?

【魔王だから、理由はそれだけ】

どうして、世界征服するんだ?

【魔王に世界征服される前にわたしがしておいて、魔物を世界から根絶する」

やべーやつだ。

やりかねないところが一番まずい。

「長期的な目的は分かった。そのときは、俺を抜きにしてくれ」

【君には王になってもらうつもりでいたんだが、残念だ】

「俺が王になったとして、勇者は?」

【敵がいなくなれば勇者でなくなる。それだけじゃないか】

【ともあれ当分は馬鹿な王を裏から操る影の存在として生きていくよ】

「やってることが魔王なんだってば」

適当な会話をしながら、勇者と俺は森をぐんぐん進む。

あらかじめ道として踏み鳴らされているので、障害となるようなものはほとんどない。

「長期的な目的は分かったけど、今はどこへ向かっているんだ?」

【ひとまず、この一帯を支配をしている魔王の手下を〆る。そして、魔王の居場所を聞き出す】

「どうりで、どんどん森の奥に進んでるんだな」

進む足がずしりと重くなったが、気のせいだ。

やがて、何者にも会えないまま、日が陰って来た。










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