【安価・コンマ 】ロボットのパイロットとして生きる【オリジナル】
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74:名無しNIPPER[saga]
2021/10/09(土) 23:16:40.06 ID:aP1snpjV0
「こっ、これ!」

そこに写っていたのは喪服を着て墓前の前に立つ家族だった。

「どういうことですか!?」

「どうも何も、そのままだ」

「は?」

「カズミ・アーディガンは勤務中にテロリストと交戦、見事卑劣な賊を打ち果たしたが、健闘虚しく殉職した」

カズミにはさっきから目の前の人物が何を言っているのか全く理解できていない。

「わ、私はここに居ます!生きてます!」

「だが死体が空き地にあったのでな」

まるで話の通じない相手にカズミは頭が痛くなった。

「さて、ここで2つの選択肢を与える。1つ、この書類にサインして我々と生きる。2つ、2回目の葬式を挙げる。さぁ、どうする?」

「こ、こんなの横暴です!そもそも"我々"って何なんですか!?こんな事が世間に知れたら──」

「無駄だ。そんな事は、絶対にありえない。政府に訴えようが、メディアに情報を流そうが、インターネットに書き込もうが、何も起きはしない」

彼女の眼は本気だ、嘘をついていないと直感が告げている。ここでようやくカズミは気づいた。

自分は今、所謂"裏の世界"に居るのだと。選択肢など最初から与えられていないのだと。

家族、友人、将来、人生、ありとあらゆる言葉が頭に浮かんでは消えていく。だが確かな事が1つあった。

「わかりました、サインします」

「よし」

カズミの言葉を聞いて女性が両手と両足の縄を解く。軽く手首を動かした後、カズミは書類の記載事項に碌に目も通さず署名した。

それを見届けると女性はカズミを自分と向かい合うように椅子から立たせ、彼女の両肩を掴んで告げた。

「私の名前はシエラ=レオネ。ようこそ、特務機関へ」


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